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何がなんだかさっぱり理解出来ない下山田さんはきょとんとした顔を浮かべ、所在なさげに視線を宙に泳がせる。
「あの……ごめんね。変なこと聞いて……」
俺は下山田さんに頭を下げる。
「はぁ……別に私は構わないのですが、恐らく貴志さんは謝る相手を間違っているかと……」
「そうだよね」
俺は春日井さんを探して謝るため、松葉杖を握り立ち上がる。
「あの!!」
部屋を出る間際、下山田さんに呼び止められる。
「私最近綺麗になってきてます?」
やや顔を赤らめながら下山田さんは割と真剣な表情で尋ねてくる。
悪気はないのだろうが下山田さんの天然ぶりは、話をややこしくさせることがたまにあると俺は最近知った。
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