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不思議に思いながらも、その女生徒らが刺すような刺々しい視線を送ってくる為、下山田はさっさとノートを机から取り出す。
「先に行ってるね」とその女生徒らに声を掛けてるが返事はない。
なんとなく気味の悪さを感じながら下山田は教室をあとにした。
その日の授業後のホームルームで問題が起こった。
何者かがクラス委員の一ノ瀬の教科書をカッターで切り裂いたのだ。
ホームルームは切り裂かれた被害者の一ノ瀬が先生の脇に立ち、進行された。
いくらクラス委員の仕事とはいえ自分が被害者でありながら表情を変えず、冷静に進行する一ノ瀬の気丈な姿に下山田は感心した。
もし自分があの立場なら1人でめそめそと机に伏して泣いているかもしれない。
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