128人が本棚に入れています
本棚に追加
重苦しい空気が教室に充満する。
ちょっと短気な男子学生が「俺ら関係ないんだから帰らせろよ」と文句を言ったが、一ノ瀬さんの鋭い視線に睨まれて黙り込んだ。
「別に犯人探しをしたいのではありません。他のクラスの人がやったという可能性もあります。
ただこの中にこういう嫌がらせをする人がいるとしたらとても悲しいことです」
先生はクラス全体を見渡しながらゆっくりと話す。
その時下山田は理科室に行く前、忘れ物を取りに来た時のことを思い出し、はっとなった。
あの時確かクラスの女子数名が一ノ瀬さんの席の近くで集まっていた。
最初のコメントを投稿しよう!