下山田裕子の躁鬱の理由

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「それにお姉ちゃんこの体操し始めてからバイト先の先輩に『綺麗になった』って褒められたのよ。彩子もやりたかったら貸してあげるからね」 「始めて何日目に?」 「3日目よ?」 「それって……」 「そう! 効果もすぐあらわれるの! 凄いでしょ?」 そう言いながら下山田は画面に併せて今度はヨガの立ちポーズのような動きを始める。 妄信的な信者に何を言っても無駄ということを若いながらに理解していた彩子はホレホレ体操のジャケットをそっと机の上において姉の部屋から退散した。
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