女川圭一郎が脇役であることに自ら気付いた理由

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俺は脇役然として公園から立ち去ろうと二人に背を向けた。 「どこへ行くんだよ?」 「女川君、行かないで。ここにいて」 脇役の立ち位置は公園の外じゃなかったのか。 俺は振り返り、立ち止まった。 「さっきのは今の彼女だ。こちらに来てから知り合った」 「……きれいな人だったね。会社の人?」 「いいや、違う」 「いつから付き合っているの?」 時田は小さい声を震わせながらも強い意志を宿したような瞳でこの質問をした。 「先月くらいかな」 「……そう。おめでとう」 ぽつりぽつりと細切れの、様子を伺う様な、白々しさを内包した会話を二人が続ける。 しかし次の瞬間、倉持は思いも寄らない発言をした。image=441259689.jpg
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