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だからといって僕が積極的に一ノ瀬さんの味方になったかと言えばそんなことはなかった。
焼却炉付近で声を上げず泣いていた一ノ瀬さんを、やはり声を出さず慰めた僕であったが、それから僕たちの関係が接近したりはしていない。
惨めな慰めあいみたいな関係を僕は好まないし、一ノ瀬さんとしてもそれは同じだと思う。
しかしほんの少しの進展はあり、味方にはならないが挨拶くらいは交わすようになった。
それは今回の事件は関係なく、僕を心配してくれている人への礼儀としての挨拶だ。
また下山田さんとの仲が回復したお礼の意味も若干は含まれていた。
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