夏目宏市が貴志晃将と知り合った理由

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「今日一緒に帰ろうぜ、一ノ瀬」 孤立していた一ノ瀬さんに対して声をかけたのは意外にも春日井さんだった。 無視されていた一ノ瀬さんに自ら声をかける人が現れたことでクラス中に緊迫が走った。 とはいえあからさまな動きをする人間はいない。 「えっ…あ、はい」 言われた本人の一ノ瀬さんも目をぱちくりさせて驚きを隠せない。 この事件が起きる前から粗暴で適当な行動が目立つ春日井さんとクラス委員の真面目な一ノ瀬さんは仲がよくなかった。 事実を全く知らない男子の中には春日井さんが一ノ瀬いじめの主犯と勘違いしている人もいるくらいであった。
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