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「ちょっとお買い物に付き合って欲しくて……」
春日井さんの後ろから恐る恐ると下山田さんも一ノ瀬さんを誘う。
下山田さんの発言に鋭い視線をギャル集団が送る。
下山田さんは誰ともつるまない春日井さんが唯一つるむ相手のため、一部では春日井さんの彼女と揶揄されている。
「夏目! お前もな!」
一ノ瀬さんはいきなり僕にまで声をかける。
「えっ!? いや、なんで僕が……」
「お願い! 夏目君」
下山田さんのレンズの向こうの潤んだ瞳を見せられては断ることも出来ず、なし崩し的に放課後の買い物メンバーに入れられてしまった。
好奇心や敵がい心などを隠しもしない視線に晒されて、僕は全身の汗腺から汗が吹き出す思いをした。
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