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そんなときに役に立つのが先人たちが残した炭である。
何故か一度火がついた炭は火がつきやすい。
そうやって先人たちの財産で種火をつけることに成功するとなんだか凄く満足げな気分になる。
はじめて火をつけた原始人の喜びもなんとなく理解出来る気分になる。
「おお! 火がつきましたね!」
下山田さんは嬉しそうに笑みを浮かべる。
「火が起きたら一応水汲んできて」
春日井さんは特に火がおきたことに感動も示さず次の指示を与えた。
やっぱり春日井さんは男を操るのが下手なタイプだ。
男は下らないことでも誉められたら喜んで動くものだ。
単純でバカな生き物。それが男。
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