貴志晃将が夏目宏市を意外と気に入った理由

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高校生の集まりだから、という事情で飲み物はアルコールが一切用意されていなかった。 「すいません。貴志さんはビールとか飲みますよね?」 「いいんだよ、下山田さん。今日は祝日で新聞も休刊日だし、俺も休肝日にするよ」 「ひゅー……」 春日井さんは相変わらずの情のかけらも感じさせない突っ込みを俺の方も見ずに入れる。 「……ほら」 クーラーボックスから冷えたビールを取り出し春日井さんが渡してくる。 「一缶だけだからな」 既に自分がアルコールを摂取したかのような真っ赤な顔をして渡してくる横顔を見て俺も顔を赤くした。
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