貴志晃将がコンパを嫌う50の理由

12/13

128人が本棚に入れています
本棚に追加
/364ページ
「ごめん、リョウコ先帰るね。皆さんすいません」 席に戻るやクミは鞄を手に取り慌てて帰る支度をする。 「なにクミ? また彼氏? あんたら長いのに本当にいつまでも熱いよね」 「もう! リョウコそんなんじゃないって!」 クミは顔を真っ赤にして反論する。 俺は大前提を忘れていた。 こいつら全員彼氏持ちだったのだ。 「貴志君、今日はありがとう。映画の話楽しかったです。またお話ししましょうね」 「そうだね! また話そうね! 彼氏によろしくね!」 俺は何でもない風を装って彼女を送り出した。 「彼氏によろしくね」は俺の最大限の強がりだった。
/364ページ

最初のコメントを投稿しよう!

128人が本棚に入れています
本棚に追加