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「ごめん、リョウコ先帰るね。皆さんすいません」
席に戻るやクミは鞄を手に取り慌てて帰る支度をする。
「なにクミ? また彼氏? あんたら長いのに本当にいつまでも熱いよね」
「もう! リョウコそんなんじゃないって!」
クミは顔を真っ赤にして反論する。
俺は大前提を忘れていた。
こいつら全員彼氏持ちだったのだ。
「貴志君、今日はありがとう。映画の話楽しかったです。またお話ししましょうね」
「そうだね! また話そうね!
彼氏によろしくね!」
俺は何でもない風を装って彼女を送り出した。
「彼氏によろしくね」は俺の最大限の強がりだった。
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