女川圭一郎のモテ期?の理由

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これほどまでに週末が待ち遠しい週も珍しかった。 日曜日、下山田さんと待ち合わせていた駅前ロータリーに相変わらず30分前に着いた俺は缶コーヒーを飲みながらタバコを吹かす。 今日のこの状況はどう考えてもデートと呼んで差し支えない。 しかし間違ってもそんな単語は彼女の前では使ってはいけない。 変に意識され、俺を誘ったことを後悔をさせ、そうそうに帰るということになりかねない。 そして二度とこんなチャンスが訪れないという可能性もある。 デートと意識させずにデートをしなければならない。 「あっ! 女川さん。早いですね」 「下山田さんももう来たんだ。早いね」 「はい! 張り切っちゃいました! 初デートですからね」 俺はコーヒーを吹いた。
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