女川圭一郎のモテ期?の理由

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「女川さん……実は私ね……」 急に思いつめたような少し震えた声で下山田さんが語り始める。 目が潤んでおり、涙をこらえている。 その瞳でじっと下山田さんは俺を見詰めた。 「どうしたの?」 「私……友達が好きな人を、好きになっちゃったかもしれないんです……」 「……なっちゃったかもしれない?」 「まだ自分でも恋だとか、分からないんです……だけどその人のことがとても気になって…… 友達の好きな人だからいけないって思っても……止まらなくって」 呆然とする俺はかける言葉も浮かばない。 デートだとはしゃいで、必死に大人ぶった態度をして、結局は下山田さんから好きな人の相談を受ける。 どこまでいっても脇役なんだ、俺は。
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