夏目宏市に専属絵師がついた理由

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それが功を奏してか「硬直する海」は新しい読者の人が結構訪問してくれた。 基本ミステリーなのだから今回から読んでもらってもなんら問題はない。 人物紹介もきちんと行い、新しいお客さんにも違和感を感じさせない展開でストーリーを進めていった。 また今回から新しいキャラクターも登場させた。 一ノ瀬葵(いちのせあおい)という下山田、夏木の同級生役の人物だ。 これはもちろん実際のクラスメイト、一ノ瀬遥を意識したキャラクターだ。 別に僕が一ノ瀬さんを好きになったから登場させたとかではなく、作品により広がりを出したいから登場させただけだ、と僕は自分自身に必死に言い訳をする。 現に小説の中の僕の分身である夏木は相変わらず下山田に思いを寄せている。 一方一ノ瀬も夏木との絡みはほとんどない。 一ノ瀬は探偵下山田紗枝の依頼人というかたちで登場する。 はじめは単純な迷い猫捜索のだったのだが、どんどんと血生臭い事件に変貌していくという内容だ。 一ノ瀬はあくまで探偵下山田を信頼しており、そのワトソン役である夏木には大した関心もない。
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