貴志晃将が動き出した理由

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急変した下山田さんの態度を見て俺はようやく自分のミスに気付いた。 骨折したとき下山田さんにも世話になったじゃないか! それなのに春日井さんだけお礼なんていえば気分を害して当然だ。 相変わらず俺は気が回らない奴だ。 「下山田さんの好きなのものは何?」 「すっごいついでみたいな感じですね」 「いや、いやいや!そんなことないよ!むしろ下山田さんメインで!」 下山田さんはみるみる呆れた表情を浮かべる。 「いいですよ、お礼なんて。もともとは貴志さんが被害者なんですし。 ひかりは意外に甘いものが好きみたいですよ。 ……それじゃ失礼します」 そう言い残すと下山田さんは足早にその場をあとにした。
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