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下山田さんが春日井さんの袋と自分の貰った袋をちらりと見て一瞬表情を曇らせたが、すぐに笑顔を取り戻した。
プレゼントの差があったことで気を悪くさせてしまったかと焦ったが、気のいい下山田さんはなにも不満を漏らすことはなかった。
「足も直ったことだしまたバーベキュー行こうね!」
「あっ……うん。……まあ、そのうちね」
俺は春日井さんに視線を向けて言ったが、春日井さんは目も合わさず、返答もなんとも歯切れが悪い。
肌で感じるくらいに空気が重くなる。
「そ、そうですね!貴志さんの足が直ったんだから沢山荷物かついでもらって行きましょう!」
気まずい空気を払拭するように、下山田さんは取り繕ったようなテンションで返してくれた。
ツンデレからすっかりデレが抜けた春日井さんのリアクションに俺は冷や汗がどっとわき出す感覚を味わっていた。
なんだ、この空気。
俺、なんかしたか……?
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