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カップラーメンの形だけの補充を終わらせ、俺は倉庫に戻る。
正直下山田さんに会ったときは今までの14回もの失敗ですらラッキーだったとさえ思った。
下山田さんで失敗しないための神様の与えてくれた練習だったのだ、と。
だから今回は絶対に失敗したりはしない。
夜中に公園に呼び出してギターの弾き語りなどしない。
お気に入りの恋愛小説に愛の告白を綴った栞を忍ばせて貸したりはしない。
「もう泣くなよ」とか言ってどさくさに紛れて抱き締めたりはしない。
偶然を装って毎日相手の通学道で待ち伏せなどはしない。
……とにかくそんな痛々しい真似は一切しない!
俺は必ず下山田裕子さんを彼女にしてみせる!
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