夏目宏市が陰鬱で悲観的な50の理由

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学校の昼休み。 僕はいつも通り中庭で1人、小説を読んでいた。 突如本に影が入り、僕は顔をあげる。 「貴志くんまた1人でこんなところで本読んで。みんなと会話したりサッカーしたりとかしないの? そんなんだから友達出来ないしひ弱なんだよ」 僕の前には一ノ瀬遥(いちのせはるか)さんが立っていた。 正直僕はこの人が苦手だ。 「貴志くんには若さがないのよ。だいたい本なんて家やら通学中にでも読めばいいでしょ」 「い、家や通学中も読んでるよ……」 「だったら昼休みくらいみんなと話せば?なんか貴志くん見てるとイライラするんだよね」 「イライラすると精神衛生上良くないよ」 「貴志くんのせいでしょうが!」 本当に僕のせいなのか? 反論したかったけど逆にやられそうだったので僕は一ノ瀬さんを無視してまた視線を本に戻す。 一ノ瀬さんはまだなんかぶつぶつ言っていたが呆れたのかしてその場を去っていった。
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