夏目宏市が陰鬱で悲観的な50の理由

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一ノ瀬さんはクラスの委員だ。 責任感の強い一ノ瀬さんはいつか僕がいじめに遇い、それを苦に自殺してしまうのではないかと心配してくれている想像逞しい女の子だった。 彼女も小説を書いたらきっといい作品を書くに違いない。 やや茶色に染めた明るいロングの髪に少しきつめの目が印象的だ。 そんなに世話好きには見えないが人は見かけによらないものだ。 ちなみに僕は身長170センチ弱で髪はもちろん真っ黒で長め。 印象に残らないような一重で鼻も低く薄い顔立ちだ。 見た目通りに暗い。 一ノ瀬さんが言うように僕には友達がいない。 多少会話をするクラスメイトはいるが遊びに行くこともなく、ただのクラスメイトといった関係だ。 それでも僕は構わないと思っている。 親友だといいあってる連中も卒業すれば疎遠になる。 だいたい人間関係というのが僕は好きになれない。 いくら親友だと言い合っても結局はみんな自分が一番だ。 その親友と呼びあっている人たちが相手のいないときに悪口を言い合ってるのを何度か聞いたことがある。
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