夏目宏市がおつかいをする1つの理由

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気がついたら僕はスーパー「エリーゼ」の前に来ていた。 いや、格好つけたような言い方はよそう。 自らの意思でスーパー「エリーゼ」の前に来ていたのだ。 希望が欲望で欲望は幸せの反対語だとか言っていたのもどこへやら、下山田さんのバイト先まで押し掛けてしまった。 もはやストーカーレベルの気持ち悪い自分の行動に自己嫌悪する。 これから何食わぬ顔をし店内に入り、偶然を装い下山田さんと会おうという魂胆だ。 なんと浅ましい人間なんだろうか、僕は。
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