女にフラれる50の方法

夏目宏市がおつかいをする１つの理由

大根2本だけをレジで打って貰い、支払いを済ませる。

「本当に大根買ってくれたんだね。ありがとう」

「や、安かったんで」

大根の相場を知らないくせに僕は照れ隠しでそう答える。

「ありがとう。また来てね、夏目君」

にっこり微笑まれて僕は宙にも浮く気分になる。

また来てね、という言葉はなによりありがたかった。

またいつでも来れる免罪符を手に入れた気分になる。