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「あっ! それ昨日の大根? おいしい?」
下山田さんが突然僕の弁当箱を覗き込み話しかけてくる。
「あ、ああっ! 下山田さん!」
急に下山田さんに声をかけられ僕は慌てて弁当箱を隠した。
見た目とかなによりその生臭さを恥じたからだ。
なんか本当にナニをしたような匂いを撒き散らす弁当箱が果てしなく恥ずかしかった。
「イカと煮付けたんだね! 夏目君のお母さん料理上手なんだ! いい匂い」
僕の気持ちなど知るよしもない下山田さんは鼻腔いっぱいにその生臭い匂いを嗅ぐ。
「だめだよ、そんな……勢いよく嗅いじゃ……」
……羞恥心も度を越えると快楽に変わることがあるのを知った高校2年の春の出来事だ。![image=433066327.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/433066327.jpg?width=800&format=jpg)
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