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身の丈にあった以上の幸せを求めてはいけない。
そんな格好をつけた台詞を言ったものの僕は頻繁に下山田さんの働くスーパーに足を運んでいた。
一週間くらいしたある日。
相変わらず僕はスーパー「エリーゼ」の駐輪場に来ていた。
「よっ! 夏目!」
突然背中をぱちんとたたかれ、僕はびくんと反応した。
「夏目が家の手伝いで買い物に来ているとかいうの本当だったんだなぁ」
振り返るとそこに立っていたのは下山田さんの友達の……
えっと…………
…………誰だっけ?
「春日井だよ! か・す・が・い・ひ・か・り!
クラスメイトの名前忘れるなよ!」
……春日井ひかりさんだ。
下山田さんの一番の親友でちょっと、というかだいぶ荒っぽい女の子だ。
「しっかし夏目が家の手伝いねー。まあ真面目そうではあるけどある意味ヤンキーより家の手伝いとかしなさそうなのに。意外だ」
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