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ほうれん草とにんじんをかごに入れて僕はレジに向かう。
今日は下山田さんをいやらしい目で見る軽薄そうな大学生はいないようで、なんとなくほっとする。
下山田さんはヘアピンをピンクの水玉模様のものに替えてレジに立っていた。
素早く下山田さんのレジへと向かう。
レジにつく寸前でさっと他の男がなかば強引に割り込むように下山田さんのレジに入られてしまった。
何たる不覚っっ!!
一旦仕切り直しだ、ときびすを返した瞬間。
「おーい! なーつめぇぇ! こっちのレジ空いてるぞー!」
聞こえない振りが出来ないくらい大きな声を上げ、春日井さんが手をふっていた。
渋々僕は春日井さんのレジにかごを置いて清算を済ませた。
厄介な奴がバイトに入ったものだ。
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