下山田裕子がモテ期到来に気づかない理由

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学校が終わり、一旦家に帰ってから下山田はバイトに向かう。 学校の他に生活があると二重の生活があるようでなんとなく得した気分になる。 スーパーの前に来ると夏目君は来ていないかと辺りを見回してしまう。 今日はまだ来ていないようであった。 「おはようございます! 下山田さん」 背後からバイトの先輩の貴志が声を掛けてくる。 「あれ? 今日貴志さんお休みでしたよね?」 「ちょっと事務所に忘れ物してね。取りに来たんだよ」 「そうですか。それじゃ」 「あ、この間貸したDVD観てくれた?」 「いや……まだです。ごめんなさい」 「あれはいいよ。ラストなんか特にさ----」
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