下山田裕子がモテ期到来に気づかない理由

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貴志の映画論を適当に切り上げて下山田は制服に身を包み、レジへと向かった。 スーパーは色んなお客さんがやってくるが意外と来る時間が決まっており、慣れると顔見知りのお客さんも増えていた。 「若いのに気が利くねぇ」 「レジ袋は結構です」 「お、下山田ちゃん今日も可愛いねぇ。うちの息子の嫁にしたいよ!」 「この間買った時お箸が入ってなかったわ。気をつけて」 色々な常連客が出来た。 せっかく色んな人と知り合ったのだからと下山田は顔を覚えたお客さんには挨拶をした。 夕方なら「こんにちは」、夜なら「こんばんは」、会社帰りなら「お帰りなさい」と。
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