下山田裕子がモテ期到来に気づかない理由

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「はい」 女川に声を掛けられて下山田が顔を上げる。 「あげる」 女川はにっこりと笑い、携帯からストラップを外し下山田の目の前にぷらんぷらんとぶら下げる。 「え、いや。悪いですよぉ」 「はい、どうぞ」 拒否する下山田の手を握り、女川がその手のひらにストラップを握らせる。 有無を言わせぬ感じでストラップを渡してしまうと女川はそそくさと店を後にしてしまった。 手のひらを開いて下山田は九州限定板ガブリエル君を眺める。 明太子の着ぐるみを着たディフォルメされたガブリエル君。 「でへへ……」 乙女にあるまじき気味の悪い声を上げて下山田さんはガブリエル君を眺めていた。image=433659816.jpg
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