女にフラれる50の方法

夏目宏市がしなびた野菜みたいになった理由

一方現実世界では相変わらずスーパー「エリーゼ」に買い物に行き、下山田さんの顔を見るだけで満足する日々は続いていた。

小説の中では下山田さんの手を握り夜の街を駆け出すくらいの親密さなのに比べるとあまりにも落差がありすぎる。

それとバイト先では声を掛けてくれる下山田さんだが学校ではほとんど声を掛けてくることはない。

僕みたいに暗く、キモい男と話しているとクラスのみんなから白い目で見られるから声を掛けてこないんだと理解し、諦めている。

僕の方としても下山田さんに迷惑をかけたくないのでわざと話しかけないようにしている。

それでも学校で目があったときに微笑み返してくれる下山田さんを見ると、ありもしない可能性の計算を電卓ではじかずに入られない気分にさせられる。