scene 1

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確かにオレは今1人部屋だけれども。 だけれども、前のルームメイトが退学してから4ヶ月、1人を満喫してたのに~! 「センセ、それマジで?」 「おう。転入生、うちのクラスに決まったから、うちのクラスで1人部屋なの、お前だけだしな。だから、今脇は慣れるまでは転入生のお世話係りで頼むわ。」 「マジか~。それで、そいつ、いつから?」 「今日の16時に正門に来るから、迎えに行って職員室まで連れてきてくれ。」 「りょーかい。んで名前は?写真とかねぇの?」 「名前は東堂怜緒(トウドウレオ)。残念ながら写真はないな。」 「東堂怜緒、ね。んじゃまぁ、また後で連れてくるわ。」 「お~、頼んだぞ。」 高山センセに軽く手を振り、自クラスに戻ろうと踵を返した。 同室か~。 そうくるとは思わなかった。 これはマジ、王道転校生は勘弁してくれだな。 近くで見れるのはオイシイかもだけど~。生徒会には近付きたくないし。 萌え的には涎が出るほどウマウマでも、生徒会の面子は本気でソリが合わないし。 だから生徒会に選出されても拒否したわけだし~。じゃなかったら、内申良くなるし、授業免除の特権があるのに断んねぇっつの! それに、オレ王道っていうか総受けってあんまり好きじゃないんだよね~。ウザキャラだと確実に潰したくなるだろうし。 愛されるのが当たり前って信じてるような奴なんて潰して絶望を見せたくなるよな。 ………歪んでる。 ………知ってる。 まぁ、現実ではそんな奴はいねぇだろって思うけどね~。 でもさ、だからなのかな。腐男子になったのって。 身近で見てた恋愛が男同士のソレで。 きちんと想い想われっていうのに憧れてしまったんだ。 ……オレには絶対に分からないモノだから。  
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