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「――実はあの時女優さんの服には、……」
新しいソファーにもたれて、『衝撃の―――！』なんて安っぽいトークバラエティーを眺める
ふと10年前の会話を思い出した
「……それがなんと小麦粉がついていたんですよ――」
マジかよ
「だから言ったじゃない。小麦粉か何かだって」
気付くと彼女が俺のとなりに立っていた
「洗い物は？」
「食洗機におまかせ」
そう言って彼女は悪戯が上手くいった子どもみたいに笑った
窓から見える月が煌々と俺たちの居るリビングを照らす
そういえば同僚のあいつはずるい、とかなんとか言っていた気がする
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