砂の城

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愛してる。愛してる。愛してる。 どんなに言葉を重ねても、それは砂の城のように、儚いものでしかなくて。 俺達の間に形として残ることはなく、 すぐに曖昧になって、見えなくなるから……―。 「好きだ。 だから、ここにいて?」 繰り返し繰り返し 甘い言葉で縛りつけるしか、俺には手段がない。 それが自分勝手な愛情だと気付いていても。 .
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