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ミコトside
『やほ。佐和ちゃん元気?
突然だけど、ゴールデンウィーク、九州に旅行行かない?
この間懸賞サイトで旅行券当たったんだ。だから、旅費とかは気にしなくていいよ。因みに浅倉っちはOKだって。
じゃあ、考えておいてね』
蓮くんが、地元から特急で二時間半離れた大学に進学してから、約1ヶ月。
すぐには会えない距離に、寂しさが募りだした4月半ば。
蓮くんと同じ大学に通う時田くんからのお誘いメールが私の携帯に届いた。
「旅行かあ」
ふわふわ心が浮上する。
蓮くんと旅行なんて、修学旅行以来?
いや。あれは学校行事だし、旅行とは違うかな?
だいたい修学旅行は、クラスが違うから、あんまり一緒にいれなかったんだよね。
でも、普通の旅行なら、同じもの見て同じもの食べて、ずっと一日一緒にいれるんだあ。
隣にずっと蓮くんがいるんだあ。
嬉しくて、パアッと花が咲いた気分。
『時田くんからメールもらったよ。
旅行楽しみだね』
ワクワクしながら、蓮くんにメールを送信する。
これでしばらくは、寂しさに負けないでいれそう。
私は久しぶりに幸せ気分でベッドに入った。
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