砂の城

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ふんわりと焼いたオムレツを皿に移し、濃い目に入れたブレンドをカップに注ぐ。 焼きたてのスコーンに、フルーツ入りヨーグルト、ラディッシュを薄切りにしたサラダ。 「よし」 シルバーの配置まで完璧に揃えて、俺は真由の部屋のドアを叩いた。 「真由?」 呼びかけると、しばらく時間があいた後、不機嫌なお姫様が姿を見せた。 「おはよう」 殊更爽やかに挨拶してみせて、少し乱れた黒髪にキスをする。 真由はまだ眠そうな目で俺を見上げ、小さく溜息を漏らした。 「相変わらず朝から元気ね。 尊敬するわ」 真由は昔から低血圧で。 朝は大概、機嫌が悪い。 .
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