1770人が本棚に入れています
本棚に追加
/369ページ
ふんわりと焼いたオムレツを皿に移し、濃い目に入れたブレンドをカップに注ぐ。
焼きたてのスコーンに、フルーツ入りヨーグルト、ラディッシュを薄切りにしたサラダ。
「よし」
シルバーの配置まで完璧に揃えて、俺は真由の部屋のドアを叩いた。
「真由?」
呼びかけると、しばらく時間があいた後、不機嫌なお姫様が姿を見せた。
「おはよう」
殊更爽やかに挨拶してみせて、少し乱れた黒髪にキスをする。
真由はまだ眠そうな目で俺を見上げ、小さく溜息を漏らした。
「相変わらず朝から元気ね。
尊敬するわ」
真由は昔から低血圧で。
朝は大概、機嫌が悪い。
.
最初のコメントを投稿しよう!