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そう言った途端、ガタンッと音を立てて真由が立ち上がった。
「シャワー浴びてくるわっ」
怒ったように眼鏡を外し、顔を逸らす。
「朝食は?冷めちゃうよ?」
にこやかに問いかけると
「後で頂くわよっ」
ほとんど怒鳴り声で真由が答えた。
しかめっつらの横顔が耳まで真っ赤に染まっている。
俺は小さく吹き出して、肩を揺らし笑いを堪えた。
「なによ!?」
「いや、真由が可愛いすぎるから」
にやっと笑ってみせると、真由はますます赤くなりながら、憤然と足音を立て、俺の横を擦り抜けようとした。
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