11人が本棚に入れています
本棚に追加
「私は正ちゃんのことこんなに好きなのに?」
「あぁお前がいくら俺のことが好きでもだ」
「そっか、そうだよね」
最低なことをしてるという自覚はある
だけどそうするしかないんだ
俺は一人のほうがいい
そう思っていた
「どうしたの?」
彼女が心配そうに言う
「別に、なにもない」
「ならいいけど…」
俺達は俺の家へと続く坂の上で別れ
俺は家族のいない家に帰る
「ただいま……」
誰もいないとわかってるのに
ただむなしくなるだけなのに
俺は毎日問いかけるように玄関で呟いていた
最初のコメントを投稿しよう!