遭遇~出逢い~

3/4
前へ
/9ページ
次へ
その真っ暗な道を一人の少年が息を切らしながら走っている 髪は銀色で眼は澄んだ藍色をしている その眼に度々入る自分の汗を腕で拭いながら終わりの見えない暗い道をただ黙々と走る しばらく走っていると微かに何かの焦げた臭いが漂ってきた 木の焦げた臭い、…そして肉の焼けた臭い 「アトレア無事でいてくれ…」 少年はそう呟くと臭いの方へ、走る向きを変え今まで以上に走りはじめた 暗闇の道の先に一際明るく輝く場所が見えてきた 道を少し外れた所で赤々と炎が上がっている 少年がその場に近より辺りを探る 炎の下には馬車だった物が見るも無惨に壊され燃えていた その先には馬が二頭焼け死んでいた その馬車を囲むように武装した兵士達が数体転がっている 「トルゴキアの衛兵…一体誰に…」 少年が一人、一人の首もとに手をやる、その度に少年口からため息が出た 皆死んでいた
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加