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「ドラゴンの名前は分かりますけど、向こうの世界での僕の名前ってなんですか? 黒田龍也って名乗ったら駄目なんですか?」
「駄目です」
スピーカーから聞こえてくるメグミさんの声が断言する。
「一度死んだあなたを転生の輪を通さずにテリオンに送る代償として命と世界を繋ぐ要因の一つ、名前を名乗ることを禁じました。あなたはもう二度と地球での自分の名前を他人に告げることは許されません。……もし名乗ったら」
「な、名乗ったら?」
「三日三晩『死んだ方がマシ』クラスの苦痛が全身に走り、その後五日ほど非常に残念なアホな子になります」
グッバイ、マイネーム。
十七年間ありがとう。
僕は自分の名前に別れを告げると、モニターの下にあるキーボードを操作して、新しい自分の名前とドラゴンの名前を入力した。
『キャラクターネーム:グレン』
『マシンネーム:ロイヤード』
グレンは最近やっていたゲームの主人公の名前で、ロイヤードはそのゲームで仲間にしたドラゴンの名前だ。
何となく思い浮かんだからこれにしたけど、別にいいよね?
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