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「あなたにある異世界を救ってほしいのですが」
僕、黒田龍也(高校二年生、十七歳)は目を覚ました途端、異世界に召喚されたマンガやゲームの主人公が最初に言われそうなセリフを言われた。
「………はひ?」
突然の出来事に思わず間抜けな声が漏れる。
声の主のほうを見るとそこにいたのは、二十代前半の白いスーツを着こなした、いかにもキャリアウーマンといった雰囲気のお姉さんだった。
「え、え~と。お姉さんは?」
「私の名前はメグミといいます。死者の魂を転生の輪に送る役割を持つ、あなた方が天使や死神と呼ぶ存在です」
メグミと名乗るお姉さんは表情を変えることなく自己紹介をする。
「……? 天使? 死神? というか死者の魂って……それじゃあまるで僕が死んだみたいじゃないですか」
「はい。あなたはすでに死んでますよ。覚えていないのですか?」
………………………………え?
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