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メグミさんの言葉に僕は思わず目を点にした。
死んだ?
誰が?
僕が?
黒田龍也が?
「そ、そんなはずないですよ! だ、だって僕、こうして生きてるじゃないですか!」
「ではあなたは、ここに来る前は自分がどこにいたか思い出せますか?」
「……どういう意味ですか?」
「思い出してください」
メグミさんに言われて僕は、ここに来る前に自分がどこにいたか必死に思い出そうとする。
……確か僕は学校に登校するために駅で電車を待っていたはずだ。
それで電車が来たと思った時に、誰かに押されてプラットフォームから線路に落ちたんだ。
痛みをこらえながら立ち上がると、目の前にはすでに電車が来ていて、顔を青くした車掌さんと目が合ってそれで……、
「……………っ!?」
「どうやら思い出したようですね」
「お、思い出した……! 僕は誰かに押されて線路に落ちて、それで電車に惹かれて……」
「幼稚園児です」
僕の言葉を遮ってメグミさんが呟くように言う。
……って、幼稚園児?
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