91人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
「それにしても……。付き合っていた彼女にふられたとか、告白して断られたとかだったらまだしも、告白もしていない女性に彼氏がいる程度でいつまでもウジウジしてるだなんて……情けない」
「止めて! そんな目で見ないで!」
そこでメグミさんは初めて表情を表して、呆れたという表情で僕を見る。
僕は赤くなった顔を両手で覆い隠す。
もうヤダ! 死にたい!
……あ、もう死んでいるんだっけ? ……ああ、死ぬ前に一度でいいから女の子と付き合ってみたかったなぁ……。
「……まあ、いいでしょう。そろそろ本題に入りましょうか?」
「本題?」
「最初に言ったはずですよ? あなたにある異世界を救ってほしい、と」
そう言えばそんな事言っていたっけ?
「周りを見てください」
メグミさんに言われて周りを見回すと、僕は不思議な空間にいた。
前を見れば一切の障害物がないどこまでも続く白い地平線。
上を見れば地球によく似た惑星が無数に浮かぶ夜空。
間違いなくここは僕がいた駅どころか地球じゃない。
メグミさんの出現や自分が死んだという事実の衝撃が強すぎて、今まで気がつかなかった。
最初のコメントを投稿しよう!