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「あの……もし断ったらどうなるんでしょうか?」
僕は右手を小さく挙げてメグミさんに質問する。
世界を救うだなんて僕には無理だ。あまりにもスケールが大きすぎる。断れるのだったら断ったほうが絶対いい。
「断ったらあなたを転生の輪に送り、その後で別の死者の魂に今の話をお願いするだけです。
ちなみにあなたの来世はゾウリムシです。再び人間として生まれるには三兆五十九億二千万九千七百八十四回の転生を繰り返さなくてはなりません。ついでに言いますと、人間になるまでに転生する生物は全て、生態系で下位ですから」
どうやら僕に拒否権や選択肢といったものはないようだ。
「で、でも、引き受けたとしても僕に世界を救う力なんてありませんよ」
僕は今までケンカすらしたことがなく、世界を救うどころか町の不良に勝つことだって多分無理だろう。
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