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気がつくと、目の前に赤い空が広がっていた。どうやら俺は仰向けに倒れているらしい。
視線を横にずらすと、黒いヒトガタの物体が何かに群がっているのが見える。餌に群がる蟻。いや、ゴミを漁るカラスのように、その様子は荒々しい。
そもそも、自分は何をしているのだろうか。体を起こそうと頭を上げる。
「づ、ぐあっ!」
瞬間、鈍い痛みが頭に走る。反射的に頭を抱えると、ヌメッとした暖かい液体が手に付着した。両手を見ると、真っ赤な血が付着している。
「お、おい。どうなってんだよ」
立ち上がろうとしても、足に力が入らない。いや、その前にここはどこなんだ。
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