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私は自己紹介の順番を自分の席で緊張しながら待っていた。
人前にでるなんて緊張するなあ…。
朝家を出る時、真新しい高校の制服に身を包み、少し大人になったかな?なんて思っていた。
新しい友達とか、
もしかしたら私にも初めての彼氏とかできるのかな…?
男子学生が教室の前で自己紹介をしている時、ぼんやりそんなことを思っていた。
バァンッ
「…?」
勢いよく開いたドアの前に立っていたのは、見知らぬ顔の男子学生。
短い黒髪をたて、左耳の赤いピアスが目をひいた。
「おい柏木!ここは一年の教室だ!お前は今年三年になったんだろ!」
担任の先生のけたたましい声にも動じず無言のままで、
「……」
一言も発さず教室のドアを開けたままで立ち去った。
それが初めてみた先輩の姿だった。
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