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先輩のカバンから出てきたのは黒のマフラー。それを首にくるくる巻いていく。そして、先輩は席から立ち上がった。
「名前」
「…え?」
辺りを見回すがもちろん誰もいない。先輩が私に話しかけていることが信じられない。
「私のですか?」
先輩は何も言わず、じっと私を見つめるだけであった。
「…山下悠実(ヤマシタユウミ)です」
なぜか恥ずかしくて、先輩の目が見れない。でも、顔を反らすこともできない私はなぜか先輩の真っ赤なピアスを見つめながら話していた。
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