雨のち晴れ

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風太を思えば私と結婚なんてきっと周りが納得しないだろう。 それでも、私はアナタが欲しい。 溢れ出る涙を風太がそっと親指で拭う。 「他に何も要らない。 アナタが居てくれるなら」 そう告げた唇が私の唇に触れる。 触れるだけのキス。 幾度となく重ねてきたはずのその唇が、かすかに震えていた。 「もう二度と俺の前から居なくならないで」
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