プロローグ

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女は、肩を露出した、丈は膝上までのドレスを身に纏っていた。そのドレスは黒を基調としており、所々にフリルと赤いリボンで装飾がされている。所謂、ゴシックロリータと言うやつだ。 黒いブーツに肘までを覆う黒い絹の手袋。女も男と同様に全身を黒で着飾っていた。ヘッドドレスに付いた薔薇とドレスのリボンの赤が目立つ。 ヘッドドレスの下には流れるような金髪。髪は肩甲骨の辺りで切り揃えられている。顔は絶世の美女と言うほかなく、燃えるように紅い瞳に見つめられたら、並の男では耐えられないだろう。 肉欲をそそられる豊満な身体も、女の妖艶な魅力を目立たせている。 「分かってたならさっさと言えよな……見たことないタイプだったから、てっきり大物だと思ったじゃねえか。 とりあえず、死ねよ」 男は何でもないことのようにゴスロリの女に「死ね」と言い放った。 「嫌じゃ。そもそもワシはヌシの味方ではないと言っておるだろうに。 ヌシこそ、さっさと死んでくれないかのう?」 ゴスロリの女も負けじと言い返す。 最初悪魔に追われていた女性は、訳が分からず、成り行きを見守っているしかなかった。
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