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あわあわしているのは
さくら1人だけ
楓は自分のペース
カップがどこにあるか
作業員用のインスタントコーヒーはどこにしまってあるのかを確認している
顔を傾ける度に
重力に従って流れる前髪
それと同時にはっきりと目が見えた
細めな綺麗な目
今日、初めて彼を見た時の感情が再び込み上げてくる
やっぱり氷田くんって
かっこいいんだな
なんて物思いにふけっていると
いつのまにかコーヒーができあがっていた
さくら
『え…!』
突然の声に楓はカップを持つ手を止めた。
楓
『…。』
何?という目線だけさくらの方に向ける。
さくら
『なんにも入れないの??お砂糖も、ミルクも…!』
その言葉を聞いて
カップを口まで近づけ
一口飲んでみせた
楓
『そんなことか。』
流し台に腰をかけている楓の横顔。口もとが笑っている様に見えた。
さくら
『あたしも、死ぬまでにブラックで挑戦してみたいんだよね。』
数秒さくらの顔を見てから
楓がカップをさくらの方に向ける
楓
『今挑戦してみたら??』
なんとも言えない好奇心が込み上げてくる
ブラック、ちょっと飲んでみたいな
あと
やっぱり
近くに行ってみたい
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