執事のくせに。

【高校】…1

自分の席に近づきながら
後ろの席に視線をずらす…。

左手は頬杖をし、右手は机に置かれた本に添えている。

少し下を向いているせいか、黒いサラサラとした前髪で殆ど目が見えない。

筋の通った鼻が見える。

本を持つ手は色白で長くて綺麗な指…。

って、あたし人のこと見過ぎ!!

気になりながらも席に腰をおろす。

座っている間も、後ろから聞こえる紙をめくる音がやけに気になる。

三浦
『さくらちゃん席そこだったんだ。』

右斜め前から三浦が体ごとこちらに向けてくる。

さくら
『あ、三浦くん近いね!』

三浦
『さくらちゃん、今度遊び行こうよ!』

さくら
『え～～、さきと遊ぶ！』

三浦
『が----ん!!』

２人のやりとりを見て周りの生徒が笑う。

担任の先生が来るとみんな同じ方向へ体を向ける。