【高校】…1

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配布プリントが来る度 緊張しながら後ろへ渡す 顔を見ることはできないが 彼の手が視界に入る プリントを受け取る指が綺麗 先生が一通り話をすると 出席番号1の青井さんが 号令をかける きり-っつ きょうつけ- れ-い さようなら- とたんにザワザワし出す さくらは視線を右に向けた 教室を出て行く彼が見えた 後ろ姿で彼だとわかった 背が高くて背筋が伸びている 廊下で友達らしき男と話している 友達も大人っぽくて その場所だけ空気が違うように感じた 早希 『さくら??』 さくら 『え?!あ…ぼ-っとしちゃった。』 早希 『さくらがぼ-っとするのはいつものこと。笑 帰ろっ。』 早希とは帰り道が反対方向なので、校門で別れる さくら 『また明日!』 早希 『気をつけてね~。』 数メートル後ろ向きに手を振りながら歩いて、前を向く すると あの後ろ姿があった
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