【高校】…1

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わ、わ~ こおりだ君だ… せっかく同じクラスになったんだ。 あたしの存在を知ってもらいたい。声を聞いてみたい。お話がしたい。 いろんな好奇心が、さくらの行動力を湧かせる。 駆け寄ってみると、楓の背中が目の前にあり、自分の目線より高い所に肩があった。 『あ、あの…!こおりだ君…だよね//』 振り返ってさくらに視線を落とす 少し長い前髪の隙間から目が覗く 楓 『…ひだ です。』 さくら 『へっ………ごめんなさい、ひだって読むんだ!』 やってしまった。初っ端から相手の名前を読み間違えるというミス。 あわあわしているさくらを見下ろしたままの楓。 怒っているのか、それともなんとも思っていないのか。 楓 『…で、何?』 憧れの人に初めて声をかけたこの時間を楽しむ暇さえ与えない、シンプルな質問が返ってきた。 さくら 『え…いや…なんでもない…です。』 上から見下ろされているせいもあってか、無駄話が許されない雰囲気がただよっている。 さくら 『あ…じゃあ、あたし家あそこだから、またね。』 楓 『俺もなんだけど。』 さくら 『…………え…?!』 楓 『ああ。やっぱりまだ聞いてなかったんだ。』 さくら 『え…どおいうこと?!』 楓 『ではお先に…゙お嬢様゙。』 固まるさくらをからかう様に 前髪の隙間から見える目が意地悪く笑っていた。 さくらは、楓が我が家に入って行くのを見届けることしかできず、肩から鞄がぼとっとずり落ちた。
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